こんにちは。
今回の記事では、医学部5年生の学生生活にフォーカスしてご紹介します!
医学部4年生でCBT、OSCEを無事に乗り越え、医学部5年生は病院実習をガッツリ頑張る学年です。
病院実習で得た経験や体験が将来、自分がどんな診療科に進みたいのかを決めるキッカケになることも多いので、忙しい毎日を送りながらも常に自分のアンテナを巡らせてどんな診療科に関心がわくのか探していきましょう!
病院実習が重要視される理由!!
昨今の医学部では臨床参加型実習(いわゆる病院実習)が非常に重要視されています。ちなみにここ数年での医学部教育における実習期間は大学にもよりますが、私の大学ではもともと54週だった実習期間が72週と大幅に拡充されています。
また大学附属病院での実習がメインで他の病院での実習の機会が限定的であった傾向から、大学附属病院以外の市中病院や郊外の地域病院での臨床参加型実習も必修化されるようになりました。
なぜこれほどまでに臨床参加型実習が重要視されるようになったかというと、いわゆる2023年問題と呼ばれるECFMG(米国の外国医学部卒業生のための教育委員会)からの通告の影響があります。またドラマやニュース、SNS等の数々のメディアで「医療」の情報が扱われる機会が多くなり、それに伴い患者さんの医療に対する関心や知識の高まりとともに、患者さんから医療者へのニーズが多様化してきたからでしょう。
ECFMG通告に関しては下のリンクを参照して下さい。
単なる医学知識は大学での講義を受けたり、教科書や参考書を読めばある程度身に付けることが可能かもしれませんが、実際に働く医師の姿を見たり、患者さんを目の前にした時、
自分が今まで勉強してきた知識がどこまで通用するのか
この患者さんは何を一番必要としているのか
医師にはどのような働き方があるのか
これらの経験や勉強の機会は臨床参加型実習無くして得ることはできません。
臨床参加型実習は、将来自分が医師として働く上でも、キャリアについて考える上でも非常に大切な機会になるので気合を入れて臨みましょう!!!!!
病院実習ではどんなことをするの?
前章では病院実習の重要性についてご紹介しましたので、早速病院実習では具体的にどんなことに取り組んでいくのかご紹介します!
各診療科は大きく分けて内科、外科の2つに分けられますが、どちらの診療科でも共通して取り組むことが多いのが
各カンファレンス、病棟回診への参加
各診療科領域の患者について先生同士で情報共有をするのが大きな目的の一つになります。治療方針についても意見を出し合って患者さんにとって何がベストなのかを検討したりもします。
病棟回診でも先生間で患者さんの状態を把握し、研修医や後期研修医が上級医や指導医にベッドサイドで簡単なプレゼンを行ったりもします。
診療科によっては、カンファレンスでの担当患者さんプレゼンを学生が行うこともあり、事前にどのように要点をまとめて報告するのか良いのかコツなどを先生に聞きつつ準備します。
担当患者さんのカルテ記載、レポート
担当患者さんが割り振られたら積極的にカルテ記載を行います。基本的に毎日患者さんのベッドサイドに問診に行き、今日の状態を聞きながら簡単な診察をさせていただきます。印象に残った例を挙げると神経疾患などでは、反射が亢進したり、あるいは消失したりと明らかに健康な人とは違う身体反応を診察によって見ることができ、非常に勉強になります。
外科に関して言えば内科と大きく違うのは手術見学
当然医学生は医師免許を持っているわけではないので実際に執刀したりはできませんが、執刀医の先生たちと一緒に手術着に着替えたり、手洗いをしたりして手術室に入って手術見学をさせてもらえます。
基本的に一旦手術着に着替えると、手術終了までは清潔な状態を保たなければならないので、特に手袋までしっかり装着している場合は、
腕は常に腰から上
清潔野以外には絶対に触れてはいけない
などかなり大変で、例えば顔がかゆくなった時も絶対に掻いたりできません、、、、、、(笑)
手術によっては10時間を優に超えるものもあり、優しさから休憩を取らせて貰える場合もありますが、キッチリ手術終了まで見学することもあります。
この手術見学は外科での病院実習の目玉で、手術見学を通して自分は外科に向いているのか、あるいは向いていないのかなどを考えるキッカケにもなります。
私の中で今でも印象に残っているのは救急科をまわっているとき、心肺停止状態の患者さんが搬入された際に、心肺蘇生を実際に手伝わせていただいたことです。発見が遅れてしまっていたため、先生たちがあらゆる処置を施したものの、残念ながらその患者さんは助かりませんでしたが、緊迫感があり、目まぐるしく処置が行われる中必死に胸骨圧迫をさせて頂けたのは貴重な経験になりました。
診療科によってどんなことに取り組めるかは様々ですが、やはり座学とは違って自分の目の前で医療行為が行われている様子を事細かに勉強させて貰えるので、非常に有意義な勉強ができます。
病院実習と並行して取り組むべきこと!
病院実習が始まると実習に忙殺される毎日を送ります。
診療科ごとにキツさは違いますが中には伝説級に拘束時間が長い実習も、、、
もはや笑い話ですが、私の大学のある外科の診療科では実習初日に終電の時間を聞かれ、手術が長引いた日は日付が変わっていたということも、、、、、、(笑)
そんな中でも意識的に取り組むべきことが2点あります!!
医師国家試験に向けての勉強
実習で忙しい毎日を送りながらも絶対に継続して取り組む必要があるのが、医師国家試験に向けての勉強です。
5年生のうちから各医学部予備校が医学部生向けの教材を提供していて、2年間をかけて医師国家試験に合格するために必要な医学知識を身に付けていきます。
診療科ごとに内容が体系的にまとまっているので、実習でその診療科をまわる前、あるいは最中に取り組むと、教材でも実習でも二重に勉強ができ、かつ印象にも残りやすいのでおススメです!!!
余裕をもって6年生になるための目安としては、5年生の内に全ての診療科の教材(映像講座)に1回は取り組むのがいいでしょう。
研修先を探す!
もう一つ取り組むべきことは研修先のリサーチです。
必然的に実習がない長期休みになるかと思いますが、5年生の内から早め早めに行動して自分なりに研修先の情報を集め、興味のある病院には実際に見学に行くことが大切です。
ここを疎かにしてしまうと、6年生になってから研修先を慌てて探さなければならなくなり、その頃には早めに行動して自分の顔を売っていた他の医学部生にリードされてしまっています。
病院側も人柄が分からない医学部生を採用するよりも、何度も見学に足を運んでくれていて熱意のある医学部生を採用したいと思うのは当然ですから、5年生のうちに研修先を探すための行動をすることがいかに大切かは想像できるでしょう。
詳しい研修先の選び方や採用試験等については別記事にて詳しくまとめてあるので是非そちらを参考にしてみてください!
医学部5年生は病院実習が学生生活のほとんどを占め、座学の講義がメインだった医学部4年生までとは違った忙しさがありますが、日々の病院実習だけではなく、医師国家試験に向けての勉強や研修先のリサーチといった6年生やその先の研修医生活へと影響する大事な行動を開始する学年です。
自分に妥協せず、計画的な1年を過ごせるように心がけましょう!!!!!!
参考リンク
【2020年】医学部Webオープンキャンパス|リンク集