医師への道~マッチング対策編

医師への道~マッチング対策編

こんにちは。

今回の記事では、医学部6年生が頭を悩ますマッチング対策についてご紹介します!

医学部6年生になると、誰しもが自分の研修先の病院をどこにするか、いつ面接を受けに行くか、そもそも何個の病院を受験するか、などなど就職のことで頭を悩ませます、、、、、、

医師になって最初の2年、いわゆる初期臨床研修期間というのは自分のキャリアを積んでいく上で非常に重要です。研修医は医師とは言え、まだまだ技術も知識も未熟な存在。しっかりと自分に合う研修プログラムを提供している病院を見つけ、合格を勝ち取るコツを是非参考にしてください!

そもそもマッチングって何!?

マッチングを例えてみると?

マッチングについてそもそもよく知らない人もたくさんいると思うので簡単に説明します。マッチングとは、「医師臨床研修マッチング協議会」という組織が、初期臨床研修を翌年に控える医学生と各臨床研修指定病院に向けて斡旋している制度で、研修を申し込む医学生側と研修を引き受ける病院側の希望がマッチするよう擦り合わせて結果を提示してくれるので非常に便利です。

かなり砕けた分かりやすい例えを用いると、「医学生側と病院側の合コン」といった感じでしょうか。

医学生側は自分で収集した情報や実際に見学した際の雰囲気から自分が臨床研修を積みたいと思う病院をいくつか受験して希望登録し、病院側は見学にきた学生の雰囲気や成績、面接試験の評価など様々な観点から自分の病院で是非働いて欲しいと思う学生を選んで登録します。

これらの学生側、病院側それぞれの希望登録情報をもとにお互いの希望が最大限擦り合うようにカップルを成立させる、というイメージです。

マッチング制度のメリットは

・医学生は、国が認定した研修プログラムを提供している病院の中から自分が選んで希望した病院で研修できる

(※マッチング不成立の場合は2次募集をしている病院の面接を受験する)

・病院は自分が欲しいと思う人材(研修医)を引き取ることができる

という点です。

マッチングの具体例

※〇〇病院を受験したA、B、・・・・・・J、Kさんの11人がいます。

〇〇病院は、上記受験者の採用希望順位をアルファベット(A~K)順に1位、2位、・・・・・・、10位、11位と登録しました。

あなたがKさん(〇〇病院を第1希望)だとすると、

・A~Jさんの10人全員が〇〇病院を第1希望で登録していた場合、あなた(Kさん)は病院側が登録した上位10番以内から漏れているのでマッチング不成立になります

・A~Jさんの10人のうち、Bさん以外のA、C、D、・・・、Jさんの9人は〇〇病院を第1希望に、Bさんは◇◇病院を第1希望に登録していた場合、あなた(Kさん)は、本来は病院側の採用希望順位が11位のため10人の枠から漏れていますが、Bさんが抜けて繰り上がりで10番になるのでマッチング成立

更に詳しく知りたい場合は、この章の冒頭で紹介した「医師臨床研修マッチング協議会」の公式HPを参照してみてください!

医師臨床研修マッチング協議会

行動が早い人がマッチングを制す!!

マッチングが成立するためには、当然自分が希望する病院から指名される必要があります。病院も採用担当者が欲しいと思う人材を順位付けして優先的にマッチング制度に申請するので、少しでも良い順位で病院側から指名されて定員枠内に入り込みたいですよね!

医師国家試験のような相対評価の試験とは違い、各病院のマッチング試験は完全に病院側が受験生の中から欲しい人材を採用する病院側の絶対評価の試験です。人気病院ともなれば毎年のように定員枠の何倍もの受験生がその病院を受験します。

その中で勝つために必要なのは早め早めに行動して他の受験生よりも一歩抜きんでたアピールができるように意識すること!!! 

ごくごくまれに、6年生になってから焦って病院見学を頑張り始める人がいますが、行動の早い人は5年生の夏休みやもっと早い人は4年生の春休みから行動している人もいます。

直前になって急に見学に来始めた学生と、前々からコツコツと2回、3回、、、と見学に来てアピールをしてくれていた学生とでは面接官はどちらを採用したいと思うでしょうか??

その答えは言わずもがなですよね!!

マッチングで 具体的な対策は?

先輩や大学の先生から研修病院の情報を集めよう!

病院見学を始めるにあたり、そもそもそこがどんな病院なのか事前にある程度の情報収集は必要でしょう。年々医学部カリキュラムが改定されていき、それに伴い長期休みの期間も短くなっているので、片っ端から有名病院を見学しようという考えはナンセンスです。

まずは、初期臨床研修について話を聞きやすい部活の先輩や大学附属病院の実習中に仲良くなった先生などに

・研修病院はどこにしたか?

・研修では何を重視したか?(救急当直の回数、指導体制、給料など)

・実際その病院はどうだったか?

といった質問をしてみるのがいいでしょう。

直近の先輩であれば現在進行形で研修病院の様子が知れますし、キャリアを積んだ先生であれば現在までの経験を踏まえてかなり客観的に当時の研修病院についての良かった点、悪かった点とどういったことを意識して研修先を選ぶのがいいかといった情報を得られるはずです。

人それぞれ考え方があるので一概にどんな病院が絶対的に研修先としていいかはおススメできませんが、私自身を例に挙げると、先輩方や先生方の意見等を参考に意識した見学前の段階での病院選びの点は

・救急科の研修にガッツリ力を入れている(出来れば3次症例までカバー)

・研修医が積極的に(能動的に)活動する雰囲気が出来ていて指導体制が手厚い

・だいたいの診療科が揃っている

・給料や当直手当、時間外手当など待遇がある程度良い

という4点を意識しました。

実際に病院見学を申し込もう!

事前にある程度自分の興味のある病院を絞れたら病院見学を申し込んでみましょう。病院ごとに見学の受け入れ状況は異なりますが、早ければ医学部4年生から、だいたいの病院は医学部5年生から病院見学が可能です。

多くの医学生は自分の大学附属病院での実習が始まった後に病院見学を開始するのが王道なので、早い人で医学部4年生の春休みから、大多数は医学部5年生の夏休みから行動を開始します。

私個人としては、医学部4年生の内から1か所でいいので病院見学をして周りより一足早い行動開始をお勧めします!!

ただし、注意しなければならないのは、病院見学は後々自分の就職活動にかなり影響するということです。連絡を取り合う病院事務の人はもちろん、忙しい業務の合間に時間を割いて見学をサポートして下さる研修医、上級医、指導医の先生に対して礼節を欠くことのないように!

病院見学では積極的に研修医に質問しよう!

病院見学では、事前に連絡した自分の興味のある診療科や見学したい診療科を研修医あるいは上級医の先生に付いて見学させて貰います。

大学附属病院以外の場所での診療業務を見学できる貴重な機会であると同時に、研修のプログラム内容や様子について現場の生の声を聴くことができます。

特に、実際にその病院で研修を積んでいる研修医の先生の意見は非常に貴重なので見学している病院の強みは当然ながら弱点(マイナスポイント)についても遠慮せずに聞くことが大切です。

良くも悪くも、各病院の事務担当の人や上の先生方は自分の勤める病院の強みを前面に出してアピールしてくれます。医学生側にとってはその病院の強みがすぐに分かりやすくなるため、非常にありがたいことではありますが、当然ほかの病院と比較して弱い部分も当然あるはずです。

例えば、

・給料は良いがその分非常に忙しく休みがほとんど貰えない

・研修医の先生たちの雰囲気はいいが、人数が非常に多く、救急当直にたくさん入ることができない

・将来小児科を専攻したいと考えているが、その病院に小児科がないor非常に小規模で自分が満足できるような十分な研修を積めそうにない

といったような点です。

すべての点において自分が納得いく条件の病院が見つかれば理想ですが、意外とそのような病院を見つけることは難しいものです。

自分の中でこれだけは絶対に譲れない、という条件をある程度絞ったうえで病院見学を駆使して研修先を決めていくことが大切です。

マッチング本番!スケジューリングを徹底しよう!

6年生の5、6月に入ったらいよいよマッチングまでラストスパートの時期です。早い病院だと6月末からマッチング試験を開始します。だいたい8月末~9月初旬でほとんどの病院が全マッチング試験日程を終えるので、それまでの期間に自分はどの病院をいくつ受験するのか、早め早めに準備する必要があります。

病院ごとにマッチング試験の形式が異なり、面接のみの病院もあれば小論文を課される病院、あるいは集団面接や国家試験のような臨床問題を解かせる病院まで様々です。

自分の受験する病院の受験形式を事前に調べて対策を練るのは当然ながら、成績証明書や卒業見込み証明書、志望理由書など事前提出書類も病院一つ一つに多数あるので、かなり時間が必要になります。

くれぐれも無理なスケジュールでマッチング試験を組んで体調を崩したり、提出書類に不備が見つかったりしないよう、余裕を持った行動を心掛けましょう!

最後に

皆さん、参考になったでしょうか?

初期臨床研修は自分が医師として仕事ができる最初の一歩です。

その貴重な2年間を生かすも無駄にするも自分次第。

漫然と研修先の病院を選んで後悔することのないように、早め早めに行動しながらじっくり自分に合った研修病院を見つけられるよう意識しましょう!

 

参考リンク

現役医学部生のコラム

医学部受験情報プレメディ

2021年度医学部受験情報

医学部傾向と対策

医学部受験情報サイト

2021年度各国立大学医学部入試ページへのリンク

2021年度各私立大学医学部入試ページへのリンク

【2020年】医学部Webオープンキャンパス|リンク集

@pmdfukuoka

現役医学部生のコラムカテゴリの最新記事