部活や実習、マッチングに卒業試験、医師国家試験と身体的にも精神的にもタイトな時間をすごすことになりそうな予感です、、、今回は、医学部を志望したきっかけからその後の取り組みについて記事にしてみます。
医学部を目指している方はもちろん、関心がある方も是非ご覧ください!
私が医学部を目指したきっかけ
医学部に必ず一定数いるのが、「自分の親が医者だから」という学生。
「小さいころから親の姿を見て自分もあこがれて!」という理由はもちろん、「医学部に特に興味はないけど、親の跡を継がなきゃ、、、」という消極的な理由で入学した生徒も(笑)
理由は人それぞれなので、何が良くて何が悪い、ということは決してありません。
それでは、
「あなた自身は何故医学部に入ろうと思ったの?」
という質問に対して、現役医学部生の具体例の一つとしてお答えします。
私の両親は、共働きで2人とも小学校の先生をしています。
なので、小さいころから自分も小学校の先生になるつもりでいました。
中学校に上がる際、縁があって私立中高一貫校(一応、進学校(笑))を受験し、ギリギリながらもなんとか合格しました。
進学校というだけあって、勉強にはかなり力を入れている学校だったので、卒業生は東大・京大・医学部といった難関大学・学部に毎年30人近く(学年全体で100人中)合格していきました。
そんな学校で青春時代を謳歌(?)していた私ですが、中学2、3年生の時に「職業調べ」という授業がありました。
将来自分の就きたい職業についてちゃんと考えましょう、という授業です。
小さいころから教師として働く両親を見てきた私は、漠然としながらも
「将来は何か直接的に人と接して、人のためになる職業に就きたい」
と強く思っていたので、「小学校の先生」というのはもちろんですが、前述したように、周りの環境も相まって「医師」という職業が選択肢の一つとして挙がりました。
最近はドラマが多いですが、少し前まではよくTVで医療ドキュメンタリーがたくさんやっていたと思います。
当時、そういった番組を見る度に、
「もし自分がこの人たちを救えたら?」
「もし自分の大切な人が病気になった時自分が何もできなかったら?」
と考えることが多々ありました。
それと同時に、患者さんやその家族が涙を流して担当医に感謝している姿を目にして、
「自分もあんなやりがいのある職業に就きたい」
と、ますます「医師」という職業に惹かれていきました。
自分の中で「決定的にコレだ!!!」というきっかけは無いものの、ゆっくり時間をかけて自分の将来について考えていく中で進路が決まった、という感じです。
それでは、「医学部」を意識し始めてから具体的にどのように行動したか、勉強をメインにご紹介します!
その後の取り組み
「医学部」を最初に意識したのは中学2、3年生の頃。
それからどのように「医学部」に向けての取り組みをしていったのか、自分自身の失敗談も交えながらお届けします。
「医学部」を目指している中学生、高校生、浪人生、その親御さんの方々是非参考にしてください!!
~中学時代~
前の項で、私が中学受験をして中高一貫校に入学したことはお伝えしました。
中学受験の恐ろしさは、入学後の気の緩みです。(笑)
中学1年生といえば、ほとんど小学生みたいなもので、辛い中学受験が終われば遊び呆けます。
おまけに寮生活だったため、意気投合した同じ寮生の同級生たちと毎日が修学旅行気分♪(笑)
進学校の容赦のない授業スピードに完全に置いてきぼりを食らいながらも、周りもそんな同級生がたくさんいたので危機感はほとんど感じず、中学2年生の半ばまで過ごします(笑)
このあたりでようやく自分の置かれている状況を冷静に考え始めました。
テストの度に学年の下の方の順位を叩き出している現状でどこに医学部に進学できる勝算があるのかと。
それからは、クラスの先生に相談したりしながら、現時点で取り組んでいる教科の中で、確実に医学部の受験時に使う「数学」「英語」の遅れを取り戻すための勉強を始めました。
中学時代に特に力を入れるべきは「数学」と「英語」。
ほとんど全ての医学部で必要になります!!
~高校時代~
中学校の勉強内容と比べて格段に内容も量も増える高校生。
中学校まではみんな同じ教科を勉強しますが、高校からは理系、文系に分かれていきますよね?
医学部はもちろん、理系学部ですので、理系科目に絞って考えると、「理科は化学・物理。生物のどれにするか?」問題があります。
医学部受験では大半の大学が、理科2科目を要求しています。
目指す大学が出題する理科の各試験の難易度や傾向などによって色んな考え、色んな戦略があると思いますが、私個人の考えとしては、
「自分が興味を持てる好きな教科を選んでください!!!」
と声を大にして言います。
医学部はどの教科でもそうですが、合格するためには他の学部と比べると高い水準の学力が必要とされます。
そんな中、嫌いな教科を他と比べても高い水準に仕上げに行くのは本当に辛く、本当に難しいことだと理解してください。
周りに流されて自分が興味のある教科を選ばなかった同級生は、非常に後悔しており、苦労もしていました。
ちなみに私の高校はというと、学年全体で100人中理系志望者がだいたい60人くらいで、化学は全員が履修し、その上で物理40人、生物20人と分かれました。
私は、「化学」と「生物」を選択しました。
「物理」には本当に関心が持てず、絶対に医学部合格レベルまで仕上げるのは無理だ、と思ったからです。
この選択は、後々受験勉強を進めていく上でも、晴れて医学部受験を突破した際にも間違っていなかったと確信を持って私はお伝えできます。
次に、科目全体で見た場合の話です。
新しく導入される共用試験がどのようなものかはまだ分かりませんが、私が受験する際には、1次試験(センター試験)で5教科7科目(数学2科目、理科2科目、英語、国語、社会1科目)および2次試験で4科目(英語、数学、理科2科目)が必要になりました。
私は、英語と理科が得意(好き)だったのですが、数学が大の苦手でした。国語や社会は普通といった感じです。
さて、ここでみなさんに問題です!!
私は現役合格に失敗し、結果浪人(それも2浪、、、)することになりました。
決定的な原因は何だったでしょうか??
答えは
ことです。
得意科目はもちろんあるに越したことはないのですが、得意科目がたくさんあることよりも、苦手科目がない、受験生の方が強いです。
何度もお伝えしているように、医学部はすべての教科において高い水準の学力が要求されます。
その中で合格するためには、レベルの高い受験生たちの中で抜きんでることではなく、遅れを取らないように立ち回ることが大切なのです。
得意科目に頼って苦手科目をカバーしようという考えも確かにあります。
しかし、その考えは諸刃の剣で、本番の緊張の中自分のベストパフォーマンスを発揮できないかもしれないのに、周りよりたくさん点を取らなければいけない、というのは精神的にとても辛く、おまけに手応えがよほど良くない限りは、苦手科目分はカバーできていないことがほとんどである、と考えるのが妥当でしょう。
・理科の科目選択は「自分が興味を持って頑張れる教科」を選択するべし!!選択科目による有利不利は都市伝説。
・苦手克服が医学部合格への一番のカギ!!得意科目で苦手科目をカバーしようという考えは安直。
~浪人時代~
現役時代、苦手克服ができなかった私は浪人することになりました。
気持ちを新たに「頑張ろう」と決意したものの1年ならず2年間浪人をしました。
これまでの人生の中でも一番といっても過言ではないほど辛かった浪人時代。
しかし、その分得るものがとてつもなく大きかったのも事実です。
そんな自分の浪人時代について、1浪目は失敗した原因を中心に、2浪目は成功した理由を中心にお伝えします。
自分の甘さ、弱さが露呈した1浪目
1浪目は大手予備校の内、河合塾を選択しました。
講師はもちろんですが、何よりテキストが自分に合っていると感じたからです。
周りにも浪人することになった同級生がたくさんいたので、気持ちの面ではそこまで落ち込まずに浪人生活に突入しました。
結果から言うと、1浪目はセンター試験で失敗。
現役からのほとんど点数が伸びず、医学部自体諦めてしまいました。
何が敗因だったのか少し詳しくお伝えします。
周りと同じようにやっていれば合格できると思っていた
予備校に通う中で一番失敗してしまったのは、予備校という環境に甘んじてしまった、ということです。
私は、授業はもちろんのこと、テキストの予習、復習もしっかりとやっている方の生徒でした。予備校の先生たちも「授業をしっかり受けて、テキストを完璧にすることが大切だ。」と言っていたし、周りも基本的にはそのスタイルだったからです。
確かに、これは限りなく正しいことです。
しかし、合格するために「必要」なことであって、「十分」なことではありませんでした。
受験生一人ひとり、得意不得意な教科、分野はみんな違います。
予備校の授業やテキストは非常に良く練られていて、効率よく勉強できるものでしたが、それをやれば自分が弱点とする教科、分野をしっかり苦手克服できる、という万能なものでは当然ありません。
自分の苦手に合わせて、他の問題集や参考書などを使ってプラスアルファ何か苦手克服のために取り組むべきでした。
そのことに気づかず(いや、もしかしたら気づいてはいたものの、自分を甘やかしていたのかもしれません)、闇雲に予備校で与えられたものだけをこなす日々。
結局、現役時代にあれだけ反省したのにもかかわらず、自分の苦手としっかり向き合うことをしなかったのです。
「医学部」に入りたいのか、「〇〇大学医学部」に入りたいのか
私が住んでいる都道府県には医学部がいくつかあります。
1浪目、私はその中でも国公立総合大学を第1志望にしていました。
キャンパスが広く、医学部だけではなく、理系文系の色々な学部があるその大学が当時はとても魅力的に感じていました。
その分、人気のある大学だったので、全国の色々な都道府県から受験生が受験しに来る大学でしたし、当然難易度も他の地元の医学部と比べて高かったのです。
一方で、地元の他の医学部は、というと、現在色々な医学部で傾向が強まりつつある「地域枠」を導入している大学でした。(この「地域枠」を導入している医学部こそ、現在私が通う医学部です。)
「地域枠」で受験、合格して入学した場合、基本的に大学がある都道府県に何年かは残らなければならないため、卒業後ある程度ではあるものの、就職先が制限されます。
これをネックに感じる受験生は一定数存在し、そのおかげで他の都道府県からの受験生は少なく、受験生のレベル層も一段階下がりました。
つまり、地元出身の私にとっては有利な条件で医学部受験ができる、という大学でした。(こんなにも有利さを強調しているものの、1浪目は前者の医学部を受けました笑)
さて、ここでこの項のタイトルに戻ります。
「医学部」に入りたいのか、「〇〇大学医学部」に入りたいのか
ある大学に憧れる、という気持ちはとても大切なことです。
この大学を目指すからこそ、自分のモチベーションを保てる、という気持ちも十分すぎるほど分かります。
しかし、「医学部」卒業後に手に入れることができる「医師」という職業への切符は「医学部」に入学することでしか手に入りません。
もし、自分が1浪目に戻ったのなら、迷うことなく、現在自分が通う医学部を目指すでしょう。
なぜなら、少しでも自分が「医学部」合格に向けて有利に立ち回れるからです。
今までで一番自分と向き合った2浪目
2浪目も1浪目と同じく、河合塾で浪人しました。
1浪目の失敗は絶対にしない、と毎日のように自分に言い聞かせながらの毎日を過ごしました。この1年にかけていたので、夜は10時就寝、朝は4時起床のサイクルで食事、睡眠以外はほとんど勉強していました。
そんな修行僧のような生活を送っていたわけですが、念願の「医学部合格」を勝ち取った理由はなんだったのでしょうか?
自分の苦手と真摯に向き合った
2浪目も同じ予備校だったため、授業、テキストは自分にとって本当に必要なものに絞って取り組んでいました。
これは、授業をさぼったり、楽をしたりするためでは決してありません。
その分の時間を、自分が苦手とする教科、分野の勉強につぎ込むための戦略でした。
苦手克服には大変な時間と労力がかかる
中途半端な取り組みでは結局苦手は苦手のまま
ということを嫌というほど思い知っていたので、勉強時間の7割は苦手の克服に割いていました。
結果として、現役時代から苦手としていた「数学」をようやく克服し、調子が悪い時でもC(ボーダーライン)~B判定くらいの偏差値を出せるようにまで仕上げることができました。
現状に甘んじず、得意教科に更なる磨きをかけた
ここまで医学部受験において大切なことは「苦手克服」である、と言い続けてきました。
「それじゃあ、得意教科には時間は割かなくていいのか?」
というと、それは大きな間違いです。
せっかくの得意教科、キープすることはもちろんですが、ほんの少しだけでもレベルアップを目指してはいかがでしょうか?
これは学力云々ではなく、意識の問題ですが、受験において「もう大丈夫。」という慢心ほど危険なものはありません。
特に「医学部」のような全国的に見ても人気で、限られた枠しかない学部を受験する受験生はみんな強い意志を持っています。
「守り」の姿勢になった時点で気持ちの面で負けてしまいます。
その「気持ちの面での負け」が「本番での1点の負け」につながらないとは言えません。
得意教科についても、勉強時間の3~4割は費やして更なるレベルアップ(苦手克服に特に重点を置いている期間は最低でも維持)を目指しましょう。
実際、私自身も勉強時間の3~4割程度は必ず得意教科に割り当てていました。結果として、成績が伸びにくいと言われる2浪目にもかかわらず、偏差値でいうと5~10の偏差値upの成果が表れ、生まれて初めて全国模試の成績優秀者欄に名前を連ねることができました。
自慢に聞こえてしまった方はすみません、、、、、、、、
しかし、前述した「意識の問題」というのは本番に近づけば近づくほど本当に大切になる、むしろ本番直前にならないと分からなかったことなのです。
だからこそ、得意教科とはいえ、手を抜いてはいけません。
これ以上やれることはない、と言い切れるくらいまで努力した
最後の項になりますが、お伝えしたいことはタイトルの通りです。
受験本番が近づくにつれて色々な不安が頭をよぎります。
「もし難しい問題が出たらどうしよう、、、」
「もし不合格だったら」
受験生のほとんど全員が多かれ少なかれこのようなネガティブな考えに襲われるでしょう。
そんな時、一番の特効薬は何か、というと
「これまで一生懸命頑張ってきた自分自身」
なのです。
あなたの親でも、友達でもなく、あなた自身が一番自分の努力の過程を知っています。
そのあなた自身が
「もうあれだけ頑張ってきたじゃないか」
と言える状態なら、ある種開き直りとも天任せとも言えるような達観した気持ちになって、適度な緊張感がありつつも、いい意味で力が抜けた状態で本番に臨んでいけます。
・浪人して予備校に通ったからと言って「合格」は保証されない。自分を甘やかした分だけ合格は遠のく。
・「やりきった」という自信こそが最後の最後で一番の武器になる。後悔のない取り組みを積み重ねよう。
志望校、受験校はどう決めたの?
最後の章では、医学部受験をするにあたっての志望校、受験校選びについてご紹介します。
まず、志望校選びについて。
志望校選びについて私が一番お伝えしたいのは、前の章でも取り上げた
「医学部」に入りたいのか、「〇〇大学医学部」に入りたいのか
ということです。
そして、私個人の意見として受け止めて頂きたいのですが、
ということを考えるべきです。
「この大学はブランドがあってカッコいい」
「あの大学はキャンパスが狭いんだよな、、、」
色々な考え方があると思います。
しかし、大学のブランドやキャンパスの広さ、他には学食が美味しい、総合大学か単科医科大学かなど、それって
「医学部に入るために必要ですか?」
もっと強い言い方をすると、
「そこにこだわらないと医師になれないのでしょうか?」
「医師」を目指すのであれば、「医学部」に入るしか道はないのです。
先ほど具体例として挙げた大学のブランド云々は、オプションでしかありません。
ですから、志望校を選ぶ際は、出題される教科や難易度、あるいは例年の倍率や「推薦枠」「地域枠」などの入試形式を徹底的に調べて、少しでも自分が有利に立ち回れそうな医学部を選択するべきでしょう。
次に、受験校選びについてです。
ここでいう受験校とは、志望校と区別して、いわゆる「滑り止め」や「お試し」の目的で受験する大学を指します。
受験校選びで重要なのは
・時期
・場所
の2点です。
例えば、志望校の受験が3日後に迫っているのに遠方で「滑り止め」や「お試し」受験をするのはナンセンスです。
何らかのトラブルで志望校が受験できなくなってしまう可能性もありますし、何より「滑り止め」や「お試し」受験といっても受験は受験。非常に疲れが溜まります。疲れが溜まった状態で志望校の受験本番には臨みたくはないですよね?
以上のように、「受験校はあくまで受験校であって、志望校ではない」ということに注意しながら無理のない範囲でスケジューリングするべきです。
志望校以外は受験しない、というのも当然アリです。
ちなみに私の場合は、
- 10月下旬(年度によっては11月初め)防衛医科大学医学部
- 1月中旬~下旬(センター試験後)自治医科大学医学部
- 2月初め~上旬 順天堂大学医学部、昭和大学医学部
※すべて一次試験のスケジュール
合計4つの受験校を受験しました。
すべての受験校の2次試験を受け終わっても2月の上旬~中旬(志望校の受験日の約10日~2週間前)には、地元に帰ってきていられるようにスケジュールを組みました。
受験校のレベルとしては、あくまで私個人として
- 防衛医科大学医学部: 志望校より難しい
- 自治医科大学医学部: 志望校と同じくらい
- 順天堂大学医学部: 志望校より少し難しい
- 昭和大学医学部: 志望校より少し簡単
という感覚で選びました。
もちろん、受験日程や学費、合格した場合進学するのか、あるいは国公立二次試験の結果が出るまで合格を保留できるのか、なども考慮しています。
幸いなことに、上記の4つの大学から合格を頂けたので、結果的には進学はしなかったものの、志望校に向けての良い弾みとして生かすことができました。
いかがでしたか?
記事の内容が少しでも多くの方の参考になれば嬉しく思います!!
次回は、受験直前期や入学までの様子、動きについて記事にできれば、と思っています。
乞うご期待!!!!!