私立医学部には、推薦入試や一般入試などで合格を狙う方法があります。これらに加えて、私立医学部の50%程度で実施される共通テスト利用も受験すると、合格可能性が広がります。科目や配点、定員なども見ながら、2021年度私立医学部共通テスト利用入試の対策を考えていきましょう。
私立医学部共通テスト利用入試の科目・配点
私立医学部共通テスト利用入試では、共通テストに加えて面接・小論文が課せられるケースが多いです。英語や数学などの学力は共通テストで測られるため、大学独自試験は基本的に実施されません。
共通テストの受験科目にはいくつかのパターンがあります。科目数が少なめの場合は、英語・数学・理科2科目です。このパターンだと、私立医学部一般入試の対策と同時に効率よく学習を進められます。
他のパターンとしては、英数理理に国語が加わる大学や、さらに社会も加わる大学があります。共通テストで国語や社会が必要な場合は、国立医学部受験生が有利になりやすいです。ただ、私立医学部専願の受験生でも、国語や社会が得意ならチャンスと言えるでしょう。
配点としては、共通テストの見た目の配点比率通りが多いです。英語200:数学100×2:理科100×2(:現代文100):(社会100)が基本と考えておきましょう。私立医学部共通テスト利用で医学部合格を目指すなら、国立医学部受験生のようにバランスの取れた学力をつけておきたいところです。
福岡大学医学部医学科のセンターテスト利用は定員5名でした
私立医学部共通テスト利用入試は、定員が限られており倍率が高くなりやすいです
例えば、2020年度福岡大学医学部医学科センター試験利用は、定員が5名となっています。
入試科目は共通テストで英語200点、国語(現代文のみ)100点・数学100点×2・理科100点×2となっていました。これらに加えて、2次試験では面接(50点)が実施されます。
定員の少なさを考えると、受験をためらうかもしれません。しかし、入試科目の大半は私立医学部一般入試でも必要な科目です。国語についても現代文のみだと、対策にかかる時間は限られます。そのため、福岡大学医学部を目指しているなら、合格チャンスを広げる取り組みとして、共通テスト利用にも出願してみると良いでしょう。
産業医科大学は1次試験で共通テストを活用か
産業医科大学は、私立医学部ながら一般入試の1次試験がセンター試験によって実施されていました。共通テスト導入後も同形式が継続すれば、共通テスト利用形式ということになります。
特徴としては、去年までの定員が65名と多いことです。実質国公立と同じ形式と考えてよいでしょう。共通テストでは国語や社会も課せられるため対策を面倒に感じるかもしれませんが、共通テストが絡む私立医学部入試にしては珍しく、門戸は広いです。他大学の共通テスト利用入試を受験する際に、国語や社会も必要になるのであれば、併願受験を検討してみても良いでしょう。
ただし、特殊な形式のため、2次試験でも大学独自の英数理の試験が実施されます。産業医科大学は私立医学部なのですが、国立医学部に近い入試形式と考えておくとわかりやすいです。この点を踏まえて、国立医学部受験生が私立医学部の併願校として産業医科大学を選ぶ方法もあります。
2021年度私立医学部共通テスト利用入試対策とは?
2021年度私立医学部共通テスト利用入試を受ける場合は、共通テスト対策を入念に行うことが大切です。共通テストの試行問題や模擬問題などを実際に解いてみて、新形式の出題に慣れておきましょう。
共通テスト利用入試を受けると、1回受験するだけで複数大学の合否を判定してもらえるため、受験スケジュールに余裕が生まれやすくなります。 ただし、共通テスト利用をメインに据えると、共通テストの出来不出来によって医学部受験全体の結果が大きく左右されます。特に2021年度私立医学部入試は共通テスト初年度のため、波乱も予想されます。志望大学が明確な場合は、一般入試の対策もこなしておくことが望ましいです。
また、塾や予備校などでメンタル面のフォローを受けておくこともおすすめします。共通テストの重要度が高まるほど緊張しやすくなるからです。まずは塾や予備校にメンタル面を支える専門職員がいるかどうかを確認してみてください。模試を積極的に受けて、本番の雰囲気を何度も体感しておく方法も有効です。
まとめ
・私立医学部共通テスト利用入試は約半数の大学で実施
・私立医学部一般入試と似た科目で受験可能な大学も
・高倍率で競争は激しいが、共通テストで高得点なら複数合格も狙える
・2021年度私立医学部共通テスト利用を受けるなら共通テスト対策を入念に
参考リンク
PMD医学部専門予備校サイト「2021年度医学部受験者の共通テスト対策について」
PMD福岡校ブログ「令和3年度(2021年度)共通テストは延期しない方向で調整」