2021年度共通テスト国語対策

共通テストを受ける医学部受験生は、数学や理科については傾向の変化を踏まえた対策を進めていくと思います。英語についても、共通テスト模試を受けるなどして傾向把握に努めるでしょう。一方、共通テスト国語については、文系科目ということもあり対策がおろそかになりがちです。入試で国語が必要な医学部受験生は、2021年度共通テスト国語の出題傾向を踏まえ、おすすめ問題集なども使って対策を進めておきましょう。

1. 2021年度共通テスト国語の出題傾向と対策
2. 共通テスト国語の出題例　平成30年度試行調査大問2
3. 共通テスト国語対策におすすめの問題集
4. まとめ
5. 参考リンク

2021年度共通テスト国語の出題傾向と対策

　2021年度共通テスト国語では、センター試験国語と異なり、現代文の大問で複数の資料が与えられることになります。資料には一般的な現代文のテストで与えられる文章の他、ポスターや法律の条文など、やや珍しいものも含まれます。「文章1つ」だけではないため、複数の資料から必要な情報を総合して設問に解答することが必要です。

　ただし、当初計画されていた記述式問題の導入は見送られました。そのため、国立医学部2次試験で国語の記述に取り組む必要がある受験生を除いては、選択肢式の問題の対策を進めておけば十分です。記述力については、医学部受験に必須とも言える小論文対策を意識して取り組んでおきましょう。

　共通テスト国語は、資料が複数にわたるため、効率よく選択肢の正誤を判断していかないと、大幅に制限時間を超過してしまいます。そのため、マーク式問題集なども活用して、明らかな誤りの選択肢を短時間で消去する訓練を重ねておきましょう。また、共通テスト国語模試などを受けた場合は、正解した問題についても解説を丁寧に読み、正誤の判断基準をマスターするようにしてください。

　時間配分に関する注意点としては、古典(古文・漢文)の得点が合否判定に使用されない医学部もあることをお伝えしておきます。受験情報を確認し、志望大学で共通テスト国語の古典が合否判定の対象外となっている場合は、古典は解かずに制限時間をすべて現代文に費やすことができます。時間不足のリスクがほぼなくなり、丁寧に資料を読み込むことが可能です。ただし、共通テストの結果を踏まえて、志望校を変更・追加する際に、古典を解いていないことがマイナス材料になることもあります。あらかじめ、併願校の受験情報を幅広く収集しておくことをおすすめします。

共通テスト国語の出題例　平成30年度試行調査大問2

　平成30年度試行テストの大問2では、ポスター、法律の条文、文章の3つの情報が与えられました。文章以外の資料が与えられる場合があるのが、共通テスト国語の特徴です。

　共通テスト英語の対策にも取り組んでいる医学部受験生なら、広告やポスターなどから情報を読み取る問題を見たことがあると思います。国語の問題としては珍しいですが、英語では似たような出題を見たことがあると考えれば、苦手意識を払拭するきっかけになるのではないでしょうか。資料を読み取る練習が不足していると感じる場合は、共通テスト英語の資料問題の対策と同時並行で進めてみるのも一案です。

　このように、共通テスト国語では複数の資料を参照する必要がある上、ポスターなどはどこに注目してよいかわかりづらいこともあるでしょう。そのため、先に設問や選択肢に目を通し、正誤判定のポイントをある程度絞り込んでから資料で根拠を探す流れを作りたいところです。正誤判定のスキルは、旧センター試験国語でも必要とされてきました。そのため、手元にセンター試験国語対策用のマーク式問題集などがある場合は、問題を解かないまでも、解説部分を見て、不正解の選択肢が消去される理由を読み込む方法も有効です。移動中のスキマ時間なども活用しながら、マーク式国語の解説を数多く読むことで、正誤判定の頻出基準を身につけてみてください。

共通テスト国語対策におすすめの問題集

　共通テスト国語対策では、複数の資料を参照する形式に慣れることが大切です。そのため、共通テスト形式の問題集に取り組むことをおすすめします。具体的には、「大学入学共通テスト　現代文　実戦対策問題種」（旺文社）に取り組んでみましょう。

　共通テスト国語予想問題が掲載されていることはもちろん、新形式の出題に対する解法が例題を用いて説明されています。そのため、共通テスト国語対策にまだ全く取り組んでいない医学部受験生が対策の入り口として活用することも可能です。

　また、分量が論理的文章5題＋文学的文章5題と多すぎず、少なすぎずとなっている点も安心です。医学部受験を目指して多くの科目を効率よく勉強する場合、どうしても文系科目、特に国語の学習に割ける時間は限られます。限られた時間の中でも2021年度共通テスト国語対策を効率よく進める上で、10題の掲載は適度な分量と言えるでしょう。