2021年度から大学入試共通テストがスタートします。記述式問題の導入見送りなど、社会でも大きな話題となった共通テスト開始は、医学部受験にも影響する大きな変更です。そこで、共通テスト開始が医学部受験に与える影響を見ていきましょう。
共通テストの思考型問題は処理能力一辺倒では厳しい
1990年から長年実施されてきたセンター試験が廃止され、2021年度からは大学入試共通テストが実施されます。共通テストはセンター試験と比べて資料の読み取り等を求められる問題が多く処理能力一辺倒では厳しくなっています。私立医学部共通テスト利用入試や、国公立医学部の1次試験で共通テストが必要な受験生は注意しましょう。
特に、浪人生はセンター試験対策を行った経験があっても、別途共通テスト対策を行う必要があると考えてください。
また入試にマークシート方式を採用している医学部入試でも、共通テストの傾向を踏まえて図表を用いた問題が増える可能性があります。共通テストそのものを受けない場合でも、試行問題に目を通すなどして、センター試験からの傾向変化は把握しておいてください。
共通テスト対策としては、情報の取捨選択の訓練が大切です。制限時間内に問題を解き切るためには、すべての資料を丁寧に確認することは困難と言えるでしょう。塾や予備校などで試行問題の分析結果を聞いたり、予想問題にチャレンジしたりして感覚をつかんでから本番に臨むのが基本です。
共通テスト対策は医師に求められるスキル磨きにも
共通テストはセンター試験と比べて対策が面倒になったと感じる受験生もいるでしょう。確かに対策は大変かもしれませんが、情報を整理して読み解く力は将来にも役立ちます。特に医学部受験生は、大学入学後はもちろん、社会に出てからも学びを継続する必要性が高いです。共通テスト対策を通じて、思考力や学ぶ力をアップさせてみてください。
さらに資料問題では、資料の内容そのものに着目してみるのも面白いです。臨床医を目指す場合、様々な患者と接することになります。幅広い知識を持っていた方が、医師として患者の話に耳を傾けやすくなるのではないでしょうか。試行問題や予想問題などに取り組んだ後は、資料の内容について少し興味を持ってみるのも一案です。
医学部共通テスト利用入試はセンター利用よりチャンス拡大の可能性
医学部受験でも、共通テスト利用入試を実施している大学があります。共通テストは地元で受けることが可能なので、入試時の移動負担を軽減しやすい点などがメリットです。
従来もセンター試験利用入試が存在しました。しかし、センター試験対策を行ってきた浪人生にとっては、共通テスト対策は新たな課題です。そのため、共通テスト導入後しばらくは、共通テスト利用入試が敬遠される可能性があります。
センター利用入試と比べて共通テスト利用入試の方が、競争が少なくなることもあり得ると考えておきましょう。受験情報を精査しながら、共通テスト利用入試の活用も前向きに検討してみると良いです。
共通テスト利用入試を実施している医学部は多数ありますが、例えば順天堂大学医学部や帝京大学医学部、藤田医科大学医学部など、知名度が高めの私立医学部でも実施されています。
定員が少ないため共通テストでの高得点が求められることにはなりそうですが、受験日程を多く取られずに済む点は大きな魅力です。多数の医学部を併願予定の受験生は、共通テストを毛嫌いせず、まずはチャレンジしてみることをお勧めします。
まとめ
情報の取捨選択で共通テストを克服しよう
共通テスト対策は医師になる上でも役立つ
共通テスト利用入試へのチャレンジも一案
参考リンク
【2020年】医学部Webオープンキャンパス|リンク集