2020年6月19日に文部科学省から「令和3年度大学入学者実施要項について」が公表されました。今年度の実施要項は、新型コロナウィルス感染症に対応した内容となっており、その分例年のページ数は15~16ページ程度のものが2021年度は33ページとなっています。この通知をもとに2021年度共通テストがどのようにおこなわれるかを見ていきます。
令和3年度大学入学者選抜実施要項について(2021年度6月19日)
2021年度共通テスト日程について
2021年度大学入学共通テストは
(ⅰ)1月16日、17日
となりました。
一部で報道されていた「後ろ倒し(延期)」は、ないことになります。「後ろ倒し」を提言(6月1日)していたのは、「自民党秋季入学制度検討ワーキングチーム」でした。休校期間が共通テストの範囲を履修できない可能性があるという理由で2週間から1か月後ろ倒しにすることを求めていました。
追試に関しては、入学志願者が新型コロナウィルス感染症の影響に伴う学業の遅れや同感染症にり患した場合等にも対応できる選択肢を確保するため、通常の1週間後ではなく2週間後の
(ⅱ)1月30日、31日
とし
更に特例追試験を
(ⅲ)2月13日、14日
にも実施することになりました。
大学共通テスト利用(以下「共通テスト利用」)する選抜(入試)に出願できるように、共通テストの個別試験を後ろ倒しにすることを求めています。その場合一般選抜よりも後になることも容認しています。
共通テスト出題範囲
共通テストの出題範囲に関しては特に触れられていなかったことから、出題範囲を変更することは考えていないことがうかがえます。通常の入試変更の場合2年程度前の予告・公表が求められていますが、例外的に各大学のアドミッションポリシーを踏まえて、3年生で履修することが多い社会や理科2科目指定を1科目にすることを認めています。
2021年度新型コロナウィルス感染症に対応した試験実施のガイドライン
2021年度の試験では、「三つの密」を回避し、「新しい生活様式」を前提とした対策が求められています。
以下はおもに求められていること
・受験生の人数は定員の半分程度にして、座席の配置は1メートル程度の間隔を確保する。
・試験室ではマスクの着用を義務付け、試験室ごとに速乾性アルコール材を準備する。
・試験場への入室、試験室からの退室には一定間隔をあけておこなう。
その他、試験監督者の体調管理や医師看護師の配置に努めること、受験者のインフルエンザワクチンの接種などが明記されています。