大学入試共通テストではすべての教科、科目で「思考型」「考察型」の出題が増加されることが予想されています。これは生物でも同様で、出題内容にはある程度変更が加えられると考えられます。医学部志望者の共通テスト生物の出題傾向や対策について紹介していきたいと思います。
共通テストの生物の出題傾向
出題形式に関しては大きな変更はありません。ただ従来のセンター試験よりも考察型の出題が増えることが予想されていることから、教科書などの単語名、生物名だけを暗記するのではなく、それらをベースにした上での考察問題が増加すると予想されます。
そのため教科書や資料集などの本文以外の「考察」「研究」「コラム」「探究」などのページに書かれていることが重要視されます。また実験や研究、資料、データなどから分析して判断しなければいけない問題などが出題されますので、暗記だけでなく「素早く正確に数値やデータ、情報を読み取る」という力が必要となります。
ちなみに2020年のセンター試験では以下のような分野から出題されています。
大テーマ | 小テーマ | |
大問1 | 生命現象と物質 | 遺伝子、細胞周期 |
大問2 | 生殖と発生 | 動物の発生と遺伝子、植物の発生と遺伝子 |
大問3 | 生物の環境応答 | 動物の反応と行動、植物の環境応答 |
大問4 | 生態と環境 | 個体群、種間関係 |
大問5 | 生物の進化と系統 | 進化のしくみ、植物の系統 |
大問6 | 生命現象と物質 | 生物の環境応答、遺伝子・植物の環境応答 |
大問7 | 生物の進化と系統 | 生物の起源と進化・生物の系統 |
やはり生物の範囲内におけるほぼすべての分野から出題がされているように、どこかに弱点があってはいけない出題内容となっています。特に医学部志望者は理科系の科目では満点もしくは満点に近い得点率をとることが多いため、どの分野も完璧に仕上げておく必要があります。教科書や問題集をやり込むのはもちろん、資料集を精読したり、図やグラフを正しく読む練習もしておきましょう。
生物分野別対策法
それぞれの分野別の対策法を紹介していきます。
遺伝子
遺伝子に関しては発現調節に関する知識問題や細胞周期に関する知識問題が出題されています。どちらも生物基礎の範囲でもあるようにあくまで基礎的な知識を問う問題が出題されていました。こういった基礎となる用語はもちろん、そこからの考察問題についてもパターンで覚えておくことが重要となります。
動物や植物の発生と遺伝子
まず動物や植物の発生に関する知識をもととして、それから実験などを通して考察するような問題が出題されています。それぞれの因子の働きを押さえておくことや、図や表を正しく読み取ることができれば答えられるようになっています。特に植物の模式図などには慣れておく必要があります。
またセンター試験では、動物の反応と行動や植物の環境応答も頻出となっています。知識として答えるだけでなく、実験データや問題文からも解答につながる情報を読み取っていく力が必要となります。
個体群、生態系
この分野は考察問題が特に多く出題される分野でもあります。ニュースなどで取り上げられることが多かった「ヒアリ」についての問題が出題されたりすることもあるため、ニュースや新聞から時事的な情報を集めておく必要もあります。問題レベルはそれほど高いものではなく、知識問題も教科書レベルですし考察問題も実験データを正しく読み取ることができればスムーズに答えられるものとなっています。
進化や系統
遺伝子型頻度の計算や塩基置換の速度などをもとにして個体の生存や繁殖に有害となる遺伝子を考察する問題が出ています。また系統樹から地層が形成された時代、年代を考察させるような問題が出ています。この分野ではもととなる知識をベースにして与えられたデータを使って考察するという問題が出題されるため、知識を蓄えると同時にそれを正しく使って考察するという練習が必要となります。
共通テスト生物の対策おすすめ問題集
・分析編
・解答・解説編
・試行調査2回分
・予想問題2回分
からなる問題集です。
これまでの過去問から出題傾向を分析し、それぞれの分野に対してどのようにアプローチしていけば良いかを学べる問題集となっています。試行調査や予想問題が付いているのも安心で、この問題集をやり込むことが生物の最大の対策となります。
まとめ
・教科書レベルの知識は必ずすべて押さえておく
・コラム、実験、研究、資料、考察といった部分にも注意する
・知識をベースにした考察問題が多く出題される