センター試験から大学入試共通テストに代わることに伴ってそれぞれの教科で変更点が発表されています。
数学では当初「記述式」の出題が予定されていましたが、そちらの導入は見送りとなりました。
ただ、他にも変更点はありますし、注意しなければならない部分も増えています。
そこでここでは医学部志願者の共通テスト、数学の入試傾向や対策について紹介していきたいと思います。
共通テストの数学の概要
まず試験時間ですが、数学は、
数学①として:「数学Ⅰ・A」「数学Ⅰ」
数学②として:「数学Ⅱ・B」「数学Ⅱ」「簿記・会計」「情報関係基礎」
があります。
センター試験ではどちらもが配点100点、試験時間60分でした。
それが共通テストからは数学①「数学Ⅰ・A」「数学Ⅰ」の部分が試験時間70分に変更となりました。
これは今までの「計算がどれくらいできるか」「数学がどれくらいわかっているか」ということを主に問うてきたセンター試験に対して、「数学的な問題過程を重視する」という目的のもと「数学をどのように活用することができるか」を重視するように変化したことが関係しています。
以前のものよりも「思考する時間」を多くとったために試験時間が長くなったのです。
試行調査で行われた試験においても、ただ問題が羅列されているのではなく、「なぜその計算式を使うのか」「その計算をすればどういったことがわかるのか」という部分が重視されていました。
そのため単純な計算量だけを見れば減少していたのですが、もちろん計算が必要ないというわけではなく、計算ができる上で、さらにそれを活用するということが求められるのです。
もちろん医学部を目指す学生はセンター試験の数学でも9割以上の得点率は平気でとっていました。
これは共通テストでも同様ですので、どれだけ早く確実に思考して答えを書けるかがポイントになると言えるでしょう。
共通テストの数学の出題傾向と勉強法
共通テストではそれぞれの設問内で会話文や長文が出るようになっています。
その文章量の多さがセンター試験との違いだとも言えます。
また、決まった公式や定理を使って解けば良いというものではなく、その問題ではどの公式や定理を使うのか、どう組み合わせて使うのかと考えるような問題が出題されるため、試験時間が長くなったとはいえ、時間配分にはさらに注意が必要となっています。
何よりも数学の基礎固め
思考する問題が増えた、計算量が減ったといってもそれで公式や定理が不要になった、計算が不要になったというわけではありません。
当然ですが、計算を早く確実にできる、公式や定理はしっかりと押さえているということは前提になります。
それらができた上で、「どの公式をどのように使うか」「使うことで何が解決できるか」という問題を解くことができるようになるのです。
まずは数学の基礎力を上げていくことが何よりも最優先となります。
そして問題を解く際には「他の解き方はないか」「違う解法や定理は使えないか」ということを考えるクセをつけておきましょう。
こういったクセがついていることで一つの問題に対して多角的に考えることが可能となります。
苦手な分野の克服
試行調査では以下のような出題がなされました。
「数学ⅠA」
1、命題と条件・二次関数・図形と計量
2、図形と計量・データの分析
3、場合の数と確率
4、整数の性質
5、図形の性質
「数学2B」
1、三角関数、指数・対数関数
2、微分法・積分法
3、データ
4、数列
5、ベクトル
というものです。
これを見ればわかるように、幅広い分野から出題されているため、何か苦手な分野があったりすると医学部志願者としては致命的なダメージとなる可能性があります。
苦手分野がないように仕上げていくことが重要です。
問題形式に慣れておく
やはり数学の試験では「時間配分」は非常に重要となります。
時間をかければ解けたかもしれないという問題があってはいけないのです。
そのためには共通テストの問題形式に慣れておくということが必要です。
模試であったり、問題集には共通テストの形式を予想したものが多くなってきています。
それらを時間を計りながら解くことで形式に慣れるということがポイントとなります。
共通テスト数学のおすすめ問題集
数研出版が出している問題集で、共通テストの傾向に合わせ、出題形式にも対応している問題集です。
同じシリーズで「大学入学共通テスト準備問題集 数学Ⅱ・B 」というものもありますので、合わせてやり込んでおくことをおすすめします。
まとめ
・数学I・Aの試験時間が60分から70分に変更となっている
・「思考力」を必要とする問題が増加している
・公式や定理などの基本的な数学基礎力は変わらずに重要なものである