2020年度私立医学部偏差値概観
2020年の私立医学部合格者の偏差値ランキングが、PMD医学部専門予備校の受験情報サイトで公表されました。
私立医学部医学科偏差値ランキング。上位5校と下位5校は?
偏差値の上位5校は
慶応義塾大学 72.3
東京慈恵医科大学 69.0
日本医科大学 68.1
順天堂大学 67.9
大阪医科大学 67.4
偏差値の下位5校は上から
聖マリアンナ医科大学 62.4
埼玉医科大学 62.0
帝京大学 62.0
金沢医科大学 61.7
川崎医科大学 61.1
となっています。
私立医学部受験の現状は?
医学部受験者数がピークだった2018年度と比較して
偏差値が上がった大学は 19校
偏差値が下がった大学は 10校
変わらなかった大学は 2校
でした。
2020年度の全私立医学部の偏差値の平均は 65.1点
ちなみに2018年度は 64.9点
私立医学部受験者数は、5月12日時点で判明している27大学で見ると
2018年度 91.202名
2019年度 86.481名
2020年度 83.243名
AERAdot.6月2日記事「【医学部入試】バブルの終焉」より引用
でした。
私立医学部の偏差値が上がった理由は?
あの私立医学部での不正入試が遠因?
私立医学部の受験者数は、この2年間で、人数で8000名弱、割合にして8.7%の減少となっています。受験者が大幅に減少したにもかかわらず偏差値は上がったことになります。一般的には受験者数が減った場合は、偏差値は下がります。
この理由は何でしょうか。
一つの要因として考えられるのが、2018年の東京医科大学での不正入試で発覚した医学部入試における差別です。文部科学省は、この件を受けて2018年9月4日に「医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査について、各大学の入学者選抜の結果速報」を発表しました。当時争点となっていた「男女の合格率」と「年齢別の合格率」の違いは大きいものでした。
不正入試に係る文科省の調査結果
医学部の不正入試問題に対する文科省の対応は素早くかつ徹底していました。
医学部医学科の入試選抜における公平性確保等に係る緊急調査の結果速報について
2018年12月14日の最終的な報告では、不適切な18の事案が大学名とともに具体的に示されました。
医学部医学科の入試選抜における公平性確保等に係る緊急調査最終まとめ
この調査に基づいた医学部への指導によって2019年度入試、2020年度入試においては、一部推薦入試枠の拡大や同窓枠の新設などの動きがありましたが、一般入試に関しては差別的な扱いは減少しています。
医学部入試が公平になったことで
合否判定が公平になったことで、以前であれば成績が良くても不合格になっていた受験生が合格しました。これが受験生が大幅に減ったにもかかわらず偏差値は上昇した原因ではないかと考えられます。
2021年度の入試では、新型コロナウィルス感染拡大による試験日程のや入試形式、入試科目、面接形式などの変更の可能性があることが既に通知されています。また共通テストがスタートするなど、今までに経験したことがない変化が訪れようとしています。様々な外部要因はありますが、入試自体が公平になったことを前向きにとらえて、どんな状況になってもいいように準備することが大切になります。
今後の医学部受験に関わる入試制度に関しては、このサイトや参考リンクでも紹介しています。また今後も新しい動きがあればその都度お伝えします。