「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」。これは、「孫子」の有名な一節です。これは、受験においても同じこと。
医学部医学科受験で課される小論文においても、それは例外ではありません。出題傾向や頻出テーマを知っておくことは、とても重要です。
医学部医学科ならではの特徴をしっかり理解しておきましょう。
出題形式について理解する
まずは、代表的な出題形式についてご紹介しておきます。代表的な出題形式は三つですが、単独で出題される場合もありますし、組み合わせて出題される場合もありますので、どの出題形式が出ても対応できるようにしておきましょう。
1.テーマ型
まずは、テーマ型の出題形式。与えられたテーマに対して、自分の知識や体験をもとに、意見を述べていく形式です。
解釈次第でどのようにも論じられるので、自由度が高いですが、求められている答えが何かをよく考えないと、知らず知らずのうちに方向性がずれてしまうこともあるので、気をつけなくてはいけません。
2.課題文型
次に、課題文型の出題形式。与えられた課題文を読み、それに基づいて自分の意見を述べていく形式です。
課題文が述べていることをしっかり読み取り、問題点として何を抽出しなければならないのかを理解しなければならないので、しっかりと課題文を読み込まなければなりません。
課題文を読む時間、構成を考える時間、実際に書く時間、と時間配分をしっかり考えて取り組むべき課題ですね。
3.資料分析型
最後は、資料分析型形式。提示された表やグラフを用いて、数値分析をした上で、自分の意見を述べていく形式です。
そもそも客観性のあるデータが提示されていますので、そのデータをうまく生かし、論理的に自分の意見を述べられるようにしましょう。
医系小論文の頻出テーマについて勉強しておく
やはり、頻出テーマとして必須と言えば、「医療」。
「医療」と一口に言っても間口は広く、医師としての倫理観を問うような問題から、専門的な知識を問うような問題まで出題傾向は多岐に渡ります。また、専門的な知識と一般常識を組み合わせて答えるようなパターンもあるので、対応できるようにしましょう。
傾向としては、医師と患者との間でどのようにコミュニケーションをとるべきかを問う問題が多いです。少子高齢化にともなう介護問題や、終末期医療の話題などがそれにあたりますね。
また、慢性的な医師不足による労働超過、過疎地域においての医師不足に対する知見や意見を問う問題にもしっかり答えられるようにしましょう。
また、新聞や科学雑誌で取り上げられている医療技術に関してもしっかりと見識を深めておきましょう。医療技術の進歩は目覚ましいもの。常に新しい情報を取り入れられるようにしておきたいですね。
もちろん、医療以外のテーマが与えられることも考えられますが、そこは掘り下げても仕方がないので、与えられた課題に対してどう対応できるのかという対応力を試されていると思って、取り組みましょう。
ただし、世界情勢や社会問題になっていることに関しては、一通りの知識を持っておくことが大切ですね。
大学ごとの出題傾向と対策を知る
冒頭で述べた「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」。敵、すなわち受験校の出題傾向をしっかりと分析し、対策を立てておきましょう。
まずは、志望する大学の近年の出題傾向を調べ、どのような形式の課題が出題されているかを把握しましょう。
学校によっては、医療とはまるで関係がないと思われるような絵や写真を見て解答させるような問題を出すところもありますし、医学と科学を結び付けるような論じ方をさせるような問題を出すところもあります。
また、出題傾向を知るとともに、その大学が求めている人物像を理解し、どのような答えが求められているのかを考え、対策を講じることも大切ですね。
まとめ
出題形式のパターンを理解し、論理性と客観性を持って論じよう
医療分野の頻出テーマとされる分野についてしっかりと勉強し、世界情勢や時事問題もチェックしておこう
受験校の出題傾向を分析し、受験校に求められている答え方ができるように研究しておこう
参考リンク
【2020年】医学部Webオープンキャンパス|リンク集