医学部医学科の入試における「学力の3要素」について
グローバル化の進展や人工知能技術などの技術革新によって、社会で必要とされる人材も変わってきています。こうした時代背景のもと、新たな価値を創造できる力を育むことを目的として教育改革が勧められています。文科省は「大学入学者選抜」の改革の一環として新しい学力観「学力の3要素」を掲げています。
「学力の3要素」とは
1.知識・技能
2.思考力・判断力・表現力
3.主体性を持って多様な人々と共同して学ぶ態度
と定義されています。
この新しい学力観のもと、センター試験から共通テストへの改革がおこなわれました。当初は数学と国語の記述式導入や英語の民間試験導入が予定されていましたが、現在はマーク形式の試験のみとなっています。
医学部医学科における調査書の扱い
1.は学科試験、2.は小論文、面接で見ることとなります。3.に関しては「主体性評価」と呼ばれている部分になります。3.は今まで調査書や自己推薦書などに該当するものでしたが、e-Portfolioでの学習記録が一般的になりつつあるので今後はデータでのアクセスで大学側が生徒の情報を受け取るようになるでしょう。
2021年度のの国立医学部医学科における入試変更では、新しい「学力の3要素」の3.を重視する大学が複数出てきました。
今のところ判明しているのは以下の4大学になります。
1.北海道大学・・コンピテンシー調査(詳細はこちらから)
2.信州大学・・・調査書を点数化する(昨年までは参考のみ)
3.富山大学・・・調査書を点数化して判定に活用(昨年までは提出を求められているだけ)
4.長崎大学・・・調査書を点数化する(昨年までは参考のみ)
2022年には高校で指導要綱の改定が実施され2024年度には入試制度自体大きく変わる予定でしたが、共通テストが当初の計画通り進まなかったことからその内容に関しては不透明になっています。しかしながら当初の予定では2024年度入試から全面的に調査書の代わりになるe-Portfolioを導入することになっていましたので、今後も調査書重視の流れは医学部でも変わらないものと思われます。
2024年度入試改革について新しい動きがあった際はこのブログで報告していきます。
参考)