センター試験と共通テストの大きな違いは
思考力
判断力
表現力
が求められるという点にあります。自分の持つ知識や技能をどう活用するかが問われるので、これまでよりも深い理解力や洞察力が求められることになるでしょう。
国公立大学入試においては、もちろんこの共通テストは必須ですが、私立大学でも共通テスト利用形式の入試は増加の傾向にあり、私立大学医学部においても、5割以上の大学が共通テストを利用しての入試形式となっています。
では、私立大学医学部受験においての共通テスト利用とはどのようなものなのでしょうか。
共通テスト利用のメリット
まず、私大医学部受験において、共通テストがどのように利用されているかを知っておく必要があります。
パターンとしては二種類の入試形式があります。
一つ目は共通テスト単独利用型。
こちらは、学科試験が共通テストのみとなります。つまり、志望大学の学科試験を受ける必要がありません。
二つ目は、共通テスト併用利用型。
こちらは、共通テストと志望大学の学科試験、両方が課される入試形式です。
ただし、現状では、併用型を採用している大学は少なく、単独利用型の入試がメインとなっています。
では、共通テスト利用の入試にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
受験のチャレンジ回数が増える
受験のチャレンジ回数が増えること。これが、共通テスト利用の最大のメリットといえます。
志望校が共通テスト利用形式の入試を採用していれば、受験生は、一般入試と共通テスト利用形式の入試、両方に出願することができます。
一般的に、共通テスト利用形式の入試は、一般入試と比較して受験料が安価に設定されているのも、受験生にとってはメリットの一つ。
一般入試とともに共通テスト利用入試にも出願し、受験回数を増やして合格の可能性をアップさせましょう。
共通テスト一回で複数の大学・学部を併願できる
先に述べたように、私立大学でも5割以上が共通テストを利用した入試方法を採用しています。
国公立大学を受験するには必ず共通テストを受験しなければなりませんが、つまり、その共通テストを一回受けるだけで、同時に複数の私大を受験することができるということになります。
共通テストを一回受けるだけで、複数の大学・学部を併願できるのは、受験生にとって非常に便利ですね。
その医学部独自の学科試験対策をしなくてよい
これは、主に行われている共通テスト単独利用型においての入試に限ってとなりますが、共通テストそれ自体が学科試験のかわりとなりますので、その医学部独自の学科試験について勉強する必要がなくなります。
受験生にとっては、二次試験(小論文や面接)対策に注力することができるため、限られた時間を有効に使うことができるのがメリットですね。
共通テスト利用入試を採用している大学と必要な科目
それでは、実際にどのような私立大学医学部が共通テスト利用方式を採用しているのか、また、それぞれの大学の必要科目が何かについてもご紹介していきましょう。
なお、こちらで紹介している情報においては、変更が生じる場合もありますので、実際に受験をお考えの方は、必ずご自身で志望される大学の募集要項をご確認ください。
関東地方
獨協医科大学
英・数・理1・理2・国
埼玉医科大学
英・数・理1・理2・国
杏林大学
英/国のうち高得点科目・数・理1・理2
順天堂大学
英・数・理1・理2・国(古文漢文含む)・社
帝京大学
英・数・理1
英・数・国(「近代以降の文章のみの得点」「古文漢文含めた得点を圧縮した得点」のうち高得点を採用)
英・理1・理2
英・理1・国(「近代以降の文章のみの得点」「古文漢文含めた得点を圧縮した得点」のうち高得点を採用)
の4パターン
東京医科大学
英・数・理1・理2・国(古文漢文含む)社
東海大学
英・数・理1・理2
中部地方
愛知医科大学
(前期)英・数・理1・理2・国
(後期)英・数・理1・国(古文漢文含む)・社
藤田医科大学
英・数・理1・理2・国
関西地方
大阪医科薬科大学
英・数・理1・理2・国
関西医科大学
(前期)英・数・理1・理2・国・社
(後期)英・数・理1・理2
近畿大学
(前期)英・数・理1・理2
(中期)英・数/国のうち高得点科目・理1・理2
(後期)英・数/理1/理2/国のうち高得点2科目
九州地方
福岡大学
英・数・理1・理2・国
受験から合格までの流れ
では、共通テストを利用した場合の入試スケジュールを大まかに確認しておきましょう。
まずは、出願のタイミングですが、共通テスト前に出願する学校と共通テスト後に出願できる学校があるので、各大学のスケジュールをよく確認しておきましょう。
そして、共通テストを受験します。これは、全受験生が同じ日に一斉受験します。
共通テスト終了後、2月の中旬から3月初旬にかけて、小論文や面接(大学によっては、その大学独自の英語試験が課されることもあります)といった二次試験が行われ、二次試験終了後、一週間以内くらいで合否が判明します。
各大学の受験スケジュールを把握し、複数の大学を効率よく受験できるように調整しましょう。
まとめ
・共通テスト利用入試と一般入試、両方に出願し、受験チャンスを増やそう
・共通テスト利用入試を利用して、二次試験対策に注力しよう
・各大学の必要科目を理解し、自分にとって有利な科目が課される大学を選択しよう