医学部医学科受験においては、学科のほかに小論文や面接を課されるところが多くあります。
受験生の立場から言えば、やはり学科試験に重点を置きがちですが、小論文に関して言えば、一朝一夕でレベルを上げられるわけではないので、早めに対策を考えておきたいところです。
小論文においては、特別高いスキルを求められるわけではないので、ポイントをおさえて、効率よく書く力をつけていきましょう。
求められている小論文の規格をよく理解して書く
まずは、小論文に取りかかる前に、出題されている小論文の規格をよく理解することがポイント。当たり前のように思えるかもしれませんが、基本を押さえておくことが大切です。
字数は何字か。どのような形式で書くように指示されているか。禁止事項はあるか。
こういう基本ルールは見落としがちですが、ルールが設定されている以上、そのルールから逸脱してしまうと、最悪の場合、採点基準を満たさないとして、読んでもらえない、という可能性もあります。
まずは基本ルールを確認した上で、きちんと規格内の小論文に仕上げるようにしましょう。
そして、これらの基本ルールを理解した上で、その小論文の課題でどのような答えを求められているのかを理解することが大切です。
直接的に、「○○についてどのように考えるか、意見を述べよ」というテーマならわかりやすいのですが、医療とはあまり関係のないことに関するテーマを与えられることもあります。
たとえば、コミュニケーション力を問われているのか、とっさの場合の判断力を問われているのか……、そのテーマに隠された出題者の意図を理解できるようにするとよいでしょう。
まず主題を決め、構成を考えて書く
医学部医学科受験で求められる字数は、大体600字~800字程度と考えておきましょう。
時間内にきちんと書き終えるためには、どのように書くかをまず決めてから書き出すことが大切です。
基本的には、まず「一番言いたいこと」、つまり「主題」を最初に決めて、その主題を効果的に提示するための構成を練りましょう。
600字であれば、基本的に三段落構成で書くようにします。では、段落ごとに何を書けばよいのかを考えてみましょう。
一段落 主題を述べる
まずは、テーマを受けて、自分がこの小論文で何を書きたいのか、何を中心に書いていくのかを最初に示します。「~していくべきだ」、「~だと考える」のように、まずは言いたいことが何かをわかりやすく明示しましょう。
二段落 その主題に対する根拠を述べる
その主題の根拠となる実例を述べていきます。ここは、自らの体験や、持っている知識をフル活用して、できるだけ具体的に述べていくことが大切です。
三段落 主題を繰り返し、今後の展望を述べる
ここは結論部分です。はじめに決めた主題を再度繰り返して述べ、今後の展望、つまり「どうしていきたいか」・「どうあるべきか」をしっかりと述べていきましょう。
論理的思考・客観性に基づいて書く
将来、医師として活躍する人材に求められるのは、「論理的思考」と「客観性」です。この二つは、社会人として誰もが持っていなければならないものですが、命を預かる医師にとっては、欠くことのできない重要なスキルです。
小論文に関しても、このスキルが求められていると考えましょう。
論理的思考とは、事実を整理し、順序立てて考え、それをわかりやすく他者に伝えること。自分が何をどう伝えたいのか、矛盾なく書けるようにしていきましょう。
そして、またこの論理的思考は客観性に基づいたものでなくてはなりません。個人的な主観に基づいた一方的な主張では信頼性に欠けてしまいます。だれもが納得できる主張をするためには、客観性を持ち、冷静に、公平に物事を見る目が必要です。
客観的な論拠に基づき、順序立てて、わかりやすく読み手に伝えられる……、これこそが説得力のある小論文に求められることなのです。
まとめ
小論文の規格を理解し、与えられた課題で何を聞かれているのかを理解しよう
主張したいこと 「主題」を決め、それをどう展開していくべきか構成を考えてから書こう
論理的に、そして、客観性を持って 説得力のある小論文にしよう
参考リンク
【2020年】医学部Webオープンキャンパス|リンク集